銅がどのように細菌を殺すか

科学では、銅の表面についた細菌は、2つのステップによって銅から作用を受けることがわかっています。

最初のステップは、銅の表面と細菌の外側の細胞膜との直接の相互作用によるもので、細菌が銅の表面に触れることにより、細菌の細胞膜が破られます。その次のステップは、細菌の細胞膜に穴が空くことにより、細菌の重要な栄養素と水分が失われることにより細胞が弱くなります。

細菌のような単一の細胞生物のそれを含む全ての細胞の外膜は、電流が安定しているのが特徴です。これは膜電位と呼ばれ、文字通り細胞の外と内側の電位が違います。細菌が銅の表面に触れることにより、細胞膜内の電流がショートすると言われています。これが細胞膜を弱くし、細胞に穴を開けます。

細胞膜に穴を開けるもう一つの方法は、酸化か錆（サビ）です。これは単一の同分子か銅イオンが銅の表面から離れた時に、タンパク質か脂肪酸のいずれかの細胞膜のビルディングブロックによって起こります。これが酸素が在る中で起こった場合、酸化やサビと呼ばれます。アナロジー（類推）は、錆でもろくなって鉄に穴を開けることです。

細菌細胞膜の一番の防御壁が破られたので、そこに銅イオンが入り込みます。これは細菌の細胞の中の重要なプロセスを、とても危険な状態にすることになります。銅は細菌の細胞内を鎮圧し、細胞の代謝を妨げます。これらの反応は酵素によって成し遂げられます。過剰な銅がこれらの酵素に結合すると、細胞の活動は停止します。これで細菌の細胞は、息をすることも食べることも消化することもエネルギーを作り出すこともできなくなります。